(96)-14r  トンサ・ゾン (タ・ゾンのケサル・ラカン(2))

(前回からの続き)

ゴロク地方はケサル王伝の里

(96)-14rゴロク・チベット族自治州.jpg


中国のチベット自治区の北隣に青海省があり、その南東部にゴロク・チベット族自治州があります。
ゴロク地方には、雄大なアニ・マチェン山脈が聳(そび)え、それを囲うように黄河が流れています。

アニ・マチェンは万年雪を冠する神聖な山脈です。
中でもマジャポムラ山には、チベットの英雄叙事詩「ケサル王伝」の、王とその王国の守護神が宿ると言われています(*1)。

そして、ケサル王はこのゴロク地方で生まれたとも言われます。
彼は諸国との戦いで莫大な財宝や武器を得て、アニ・マチェンの山中に隠しました。

(96)-14arゴロクの英雄 ケサル王の像.jpg


ゴロク族とアニ・マチェン
ゴロク地方には、古くから羊やヤクを放牧するゴロク族が住んでいます。
その強烈な独立心と野蛮な盗賊行為は、チベットでも広く知られていました。

彼らは、ケサルの財宝や武器は自分たちのものだ、と考えています。
そして、それが守護神アニ・マチェンの下にある限り、ゴロク族が戦いに敗れることは無いのです。

今でもゴロクの人々は、アニ・マチェンを守護神として崇(あが)め、その主神マジャポムラに感謝し祈願する儀式を続けています。

(次回に続く)

(注記)
(*1) 別所裕介(2007):チベットの英雄的叙事詩「リン・ケサル大王伝」と地域伝統の再編をめぐる一考察.アジア社会文化研究,8号.

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